臍帯血治療の未来

今では一般的に常識になりつつある、臍帯血治療(血液を輸血して白血病の治療に使う)ですが、最近脳性まひ治療にも使える可能性が出てきたとの情報を得ました。
この分野は私の領域ではありませんが、障害を持って生まれた子供を持つ親御さんの気持ちを考えると、他人事ではありません。

先天性の脳性まひは、自然分娩でも約0.2%の確立で生まれるのだそうで、これまではリハビリが唯一の治療法だったのですが、これに新たに臍帯血を輸血する治療法が加わりそうなのです。
対象は早産での出生児だそうですが、臍帯血を冷凍保存しておいて、生後6ヶ月頃脳性まひと診断された時点で臍帯血を輸血点滴をして治療するとの事。
臍帯血には、血管や神経の元になる幹細胞が含まれていて、脳の損傷した場所で新しい血管や神経を作るのではないかと、言われているようです。

この様な難病の子供に臍帯血を輸血する治療は、2005年にアメリカのデューク大学で始まり、脳性まひでは8人の内6人に効果があったといわれています。しかし未だ科学的に十分な証明は出来ていないそうです。これからの成果に期待する事大です。

科学的な証明はこれからにしても、効果があると分かっていれば積極的に治療を推し進めて行きたいものです。ほんの些細な事でも一筋の光明が見えた気がする新聞の記事でした。

ワインの話 Ⅳ

今 私が行ってみたい場所が3箇所ほどあります。
皆ワインの生産地なのですが、ボルドーとブルゴーニュとナパです。

その中でも特にボルドーに行ってみたいと思っています。
ボルドー左岸の5大シャトーもさることながら、サンテミリオンは絶対に行ってみたいと思う場所です。

前々回の『サンジャックへの道』の話で出てきた宿場の話ですが、
サンテミリオンは フランス内の巡礼の道の宿場の一つになっている所で、
町全体が古い昔の様相を呈していて、中世の面影が色濃く残っているのだそうです。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%B3%EF%BC%9D%E3%83%86%E3%83%9F%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%B3%E5%9C%B0%E5%9F%9F

そしてここには有名なシャトー(オーゾンヌ、シュバル・ブラン、パヴィ)などが綺羅星の如くあります。
また、近くのポムロールにはかの有名なルパン、ペトリュスがあります。
(この2本はあまりにも高くて未だ飲んだ事がありません)

これらはメルローをメインにしたワインで左岸とは違う華やかな香りと、こってりとした味わいの趣のあるワインを作っています。
これにはこの地の特性と言うか、土地が粘土質な為メルローを作るのに適しているのだとか。
かの有名なロバート・パーカーさんのシュバル・ブランに関するコメントを引用すると、『最高のシュヴァル・ブランは、シャトー・マルゴーなどのメドックの一級シャトーのワインよりも香りが華やかだ。ミネラル、メンソール、エキゾチックなスパイス、タバコ、そして強烈で超熟した黒系果実の香りは、味わう者を圧倒する。テイスティングした人の多くが、この巧妙な早熟さの魅力に惑わされて、このワインは長期熟成しないと誤った推測をしてしまう。大柄で豊かなヴィンテージにおいては、シュヴァル・ブランの熟成ぶりはとりわけすばらしいのだが、真に堂々たる風格が現れ始めるずっと前に、大半が飲み尽くされてしまうのではないか、という懸念がある。』

ご多分に漏れず私も最初は、5大シャトーのラフィット、マルゴー等を一番と思っていましたが、最近はメルロー主体のワインも捨てたものでは無いわいと思うようになりました。
また、ペトリュスは1980年頃は芳しい評価はされておらず、値段も安かったようですが。(最もこの頃は今ほど美味しくなかった様です)
このワインをワイン評論家は
『目覚めたスミレの香りと ひそめる苔の匂いの痕跡を残す 豊かなトリュフの芳香』
と言うのだそうです。

http://homepage3.nifty.com/kazgoto/winedine/bordeaux009.htm

今、月に1回のワイン会に参加していますが、このワインを近々飲む機会がありそうなので、又報告をしたいと思っています。

恋愛遺伝子の話

先日本屋で東野圭吾の本を買ったところ『さいえんす?』と言う本の中にMHCについて面白い記載がありました。
これは主要組織適合性複合体というもので白血球などにあるタンパク質を作る遺伝子の複合体のことで、人により必ず違うのだそうです。
違うと言っても、似ている部分と まるっきり似てない部分があり、人は自分とMHCタイプの似ていない異性に惹かれるらしいのです。
これはなぜかというと、MHCにより病気などに対する免疫力の質も変わるので、自分と違うタイプの相手と結ばれた方が、子孫の免疫力がバラエティーに富み、病気に強い子孫が出来るからだそうです。

さて、この遺伝子の違いを何をもって感じるかというと、それは臭いなのだそうです。
このことが詳しく書いてある本をやっと見つけて今読んでいるところです。
『恋愛遺伝子』山本大輔著 と言う本で、遺伝子が恋人を選ぶ際の一つの基準になる事をかなり詳しく記述してあります。

ここで有名な実験の事を述べる必要があります。
この実験はスイスのベルン大学で行われたものですが、44人の男子学生に2日間Tシャツを着てもらい、これを50人の女子学生に嗅がせて、それぞれ臭いを10点満点で採点させたのです。
この時それぞれの学生のMHCタイプを検査し、MHCタイプが点数の良し悪しにどのように関係するかを調べた所、驚くべき結果が分かりました。
それはMHCタイプが似ていない者同士が互いに好ましく思い、惹かれ合うということが分かったのです。(これは女性のみならず 男性にも共通した結果となりました)

この様に遺伝子が違う相手を選ぶのは、ひとえに子孫をそれも健康な子孫を残すという、生物の繁栄を願っての行動と言えるのだと思います。
実際遺伝子が近い夫婦だと、どうしても女性は流産しやすくなるし、又無事子供が生まれてもひ弱な子供になり易いのだそうです。

若い思春期を迎えた女性が、父親の臭いをくさいと言って毛嫌いするのは、遺伝子的にもむべなるかなといったところだと思います。
父親にとっては娘はほんとにかわいい存在なので、この様な結果が出るのはつらい部分ではあります。

映画『サンジャックへの道』を見て

先日NHKのBS放送で映画を見たのですが、中々の傑作でした。
フランス製作でこれほどの佳作は珍しいのでは無いでしょうか。
脚本・製作・監督がコリーヌ・セローという私としては全く知らない人ですが、世の中にはすばらしい映画を生み出す天才がいる様です。

内容は ある日3人の兄弟の下に手紙が着きます。
母親が死に 遺産を分けるにあたり、3人揃って フランスからスペインのサンチャゴ・デ・コンポステーラへ巡礼の旅を歩いてゆくことが条件となっており、3人は渋々承知します。
実際3人は非常に仲が悪く、長兄はアルコール中毒で 家族から見放され 一人娘に金の無心をする有様。
一人娘は学校の先生ですが、一家の大黒柱で長期の休みは取れないと大文句。
もう一人の次男は会社の社長ですが 病気持ちで 高血圧と高コレステロールがあり、薬なしでは生きて行けないと思っている薬オタク。
と どう考えても失敗しそうな旅ですが、3人を含めて8人のチームをコンダクターがうまくまとめて目的地に着きます。

道中色々なトラブルがあり、特に食事と泊まる所では皆が大変苦労します。
これは、普通に考えると、ちゃんとしたレストランや、ホテルを想像しますが、宿泊所は2段・3段ベッドでの雑魚寝が普通で、昼食は道の傍らで簡単に済ますと言う、貧乏学生が世界一周をする様な旅です。

何しろ、普段体を動かしていないと思われる3人が行程1,500kmを越す徒歩の旅が出来るとは思えませんが(なんとスペインの旅だけで800km)、そこは映画ですからうまく出来ています。

そして途中の景色とシャトーのすばらしい事。
旅を続けるに従い3人が仲良くなり、最後まで旅を成就するあたり、少し感動を覚えました。

『サンチャゴ巡礼の旅』で検索すると以下のアドレスが出てきます。

http://www5a.biglobe.ne.jp/~outfocus/eurail/pilgrim/santiago-top.htm

http://www.cybersuds.co.jp/ge/santiago/index.htm

これを見るとスペインでの行程だけで34まであり、毎日歩いても34日かかるという気の遠くなる様な旅で、普通の旅行ではありません。
最も巡礼の旅ですから当たり前と言われればそれまでです。

軟骨のピアス

最近 軟骨にピアスを希望する方が多くなり、この事について少し詳しく説明をしようと思います。

ピアスは耳垂部(いわゆる耳たぶ)に開けるのが一般的ですが、最近はこれでは物足りないのか、耳介部(耳の軟骨部分)や、耳珠(耳の穴の入り口にある飛び出た突起)にピアスを希望する方が増えてきました。

一種のファッションと言えるようですが、耳垂部を含め耳にピアスを開ける場合、まれに穴のところから、肉芽組織が増殖し、いわゆるケロイドを作ることがあります。特に軟骨部分にするピアスに多く見られるようで、これを治療するのには結構難儀します。(注射・手術と治療法があります)

注射法: 
ケロイド部分に直接ケロイドを抑える薬を注射します。
手術法: 
ケロイドを出来るだけ削り その上に耳の後ろから皮膚を取り 植皮します。

そこで慶友クリニックでは、軟骨部分へのピアスに際しては、麻酔後 穴を開ける道具を使って、皮膚と軟骨を丸くくり抜きピアスホールを作るようにしています。この方法ですと、早く穴が完成しますので、トラブルが非常に少なくなり、患者さんに喜んでもらっています。

東洋陶磁美術館を訪ねて

先日 大阪でセミナー(統合医療をサプリメントを使って行う)があったので、そのついでに 中ノ島にある東洋陶磁美術館を見に行きました。
今回で2回目の訪問となるのですが その内容に只々驚嘆し 感心し 感動して帰ってきました。
博物館のように全時代を網羅しているわけではなく 中国と韓国の1時代の1品と言うべきものを集めてあり その品位 品格の高い品物を よくもこれだけ集められたものだと思います。

この美術館にある品物の大部分は かの安宅産業社主がいわば道楽で集めたもの(安宅コレクション)ですが、その数たるや 道楽の域を超えていると つくづく思ってしまいます。特に中国の宋の時代の青磁が素晴らしく、本当の色を楽しんでもらう為とかで自然光を天井から取り入れてあります。暗くなると人工照明になるとかで、美しさが半減するそうです。
是非 観覧に行かれる事をお勧めします。
又 場所がよいので付近の散策を含めデートコースとしても最適です。

http://www.moco.or.jp/

http://inoues.net/museum/toyo_touji.html

さて、NHKで1980年に『ザ・商社』というドラマが放映された事を覚えている方は少ないと思いますが、これは 安宅産業(ドラマでは江坂産業)がカナダの石油開発事業への巨額投資に失敗し、伊藤商事に吸収合併された実話をもとにした松本清張の『空の城』(くうのしろ)を原作にした作品で、片岡仁左衛門さんや山崎努さん 夏目雅子さんが出演していました。
私にはとても印象深い作品で、大きな商社が1つの失敗で簡単につぶれてしまうという事が非現実的で 直ちに理解できないものでした。
ただ ドラマでは社主が唯我独尊で 専制君主のように振る舞い 結局会社を潰したのではと思っています。

このドラマの役者さんでは、山崎努さんと夏目雅子さんの演技に感心させられたのですが、特にピアニスト役の夏目雅子さんが忘れられません。
この頃が彼女が一番輝いていた頃のように思っています。
自由奔放で勝気な性格を実に上手に演じていました。
私の大好きな役者さんでしたが 若くして逝去されたのが残念です。

自毛植毛について

最近自毛植毛を希望される患者さんが多くなりました。
今 薄毛に対して色々な治療法がありますが(フィナステリド服用・グロースファクター注入・カツラ等)やはり最も効果が期待できるのが 自毛植毛です。

手術代が高いのが欠点ですが、植えた毛の95%以上の生着が保障されていますので、
結果のよい方法と言えます。

この植毛は殆ど男性が対象ですが、後頭部から採取した毛(後頭部と側頭部は男性ホルモンが作用しないので植毛後に毛が抜けることはありません)と組織の固まりを1~3本の小さな毛に分ける必要があり、この作業が大変で 高い技術を必要とします。
又、この作業でこの手術が決まると言ってよく、慶友クリニックでは、東京からスペシャリストを呼んで作業をしてもらっています。
(大体2~3時間で株分けをされますが、いつもその技術の高さに感心する次第です)

この植毛手術はその人に合わせた手術計画が最も大切で(毛の抜け方は千差万別で オーダーメイドの手術です)1度の手術で全てが終わるわけではなく、4~5回の手術が必要なので、普通 最初は前額部の生え際を作るように1,300本前後を植え、1~3年に1回のペースで手術を行うようにしています。

刑事コロンボ

6月23日、刑事コロンボで有名なピーター・フォークが亡くなりました。
83歳だったそうです。
晩年はアルツハイマー病を患い大変だったようですが、
刑事コロンボは 私の大好きなドラマだっただけに 非常に残念な気がします。

以前このコラムにも書いた『別れのワイン』などは 何回見たか知れませんし、
「うちのかみさんが」とか「あと・・・もうひとつだけ」は
忘れられないセリフです。
そのうち DVDになってシリーズものとして販売されるのではないでしょうか。

丁度、5~6年前 アメリカにゴルフ旅行に行ったときに、
ロスアンゼルスのリビエラカントリークラブで会ったことが昨日のように思い出されますが、かなり歩くスピードも遅く、元気が無かったので
その時は、「さすがに寄る年には勝てないのかな」と思ったものでした。
実際はもう病気がかなり進行していたのではと思われてなりません。

このピーター・フォークはゴルフが大好きで,且つかなりゴルフが上手で、
実際アシスタントプロのキャリアがあるとか無いとかで、刑事コロンボのドラマの中でもその腕前を披露しています。
晩年は毎日のようにリビエラカントリークラブに行っていたのかも知れません。

さて、このピーター・フォークさんですが、刑事コロンボの前に実力派俳優として数多くの映画に主演しています。
1960年の『殺人社会』ではアカデミー助演男優賞にノミネートされていますし、『グレートレース』では コミカルでドジな役で 悪役のジャック・レモンの助手として出演しています。
興味があればぜひ一度見てください。
抱腹絶倒間違いなしで、寿命が2~3ヶ月延びること請け合いです。

フォークさんは外にも多彩な方だったようで画家としても結構有名だったようです。
もう2度とフォークさんに代わる刑事コロンボは出てこないでしょうし、出る筈もありませんが、あの世でも「あと・・・もうひとつだけ」と言っているような気がしてなりません。

俳優を目指す前のことは、今回調べる前は知らなかったのですが、実はかなり頭脳明晰で、優秀だったようです。
政府高官を目指したこともあると書いてありました。

http://www3.ocn.ne.jp/~zip2000/columbo.htm

には「刑事コロンボ」に愛をこめて と言う副題で
ピーター・フォークのことを詳しく書いてあります。

ジャーナリズム列伝

今 朝日新聞に 永六輔さんが 毎日『ジャーナリズム列伝』というコラムを書いています。
これが私には 非常に懐かしく 毎日楽しみにしています。
今は 昭和36年頃のテレビ時代を書いているところですが、NHKの『夢で会いましょう』が大好きで 毎週のように見て夜更かしをしては母親に叱られたのをよく覚えています。

この番組の中で歌われた今月の歌が
有名な『上を向いて歩こう』『見上げてごらん夜の星を』『こんにちは赤ちゃん』で
これが全部 永六輔さんの作詞です。
所謂今でいうバラエティー番組のはしりですが、
非常によく構成が出来ていて、今でも素晴らしい番組であったと思っています。
同感と思われる方も多いのでは無いでしょうか?

オープニングとエンディングに出てくる中島譲が特筆もので、
なんとも言えない色気を中学生の私でさえ感じたのを昨日のようによく覚えています。

最近 永六輔さんがメディアにあまり出なくなり 寂しく感じていただけに
毎日が楽しみで まず最初にこの欄を見るようにしています。

私なりに永さんをジャーナリズムの常識人と捕らえていて、色々な媒体で、永さんが話をするのを楽しみにしていたのですが、最近あまり見なくなり寂しく思っていただけに、懐かしくもあり、楽しみにしています。

NHKの番組から

http://www.nhk.or.jp/inochi/archives/archive110126.html

『いのちドラマチック』という番組をNHK BSで放送しています。
私の好きな番組のひとつです。
最近の放送で面白いと感じたのは、麹菌(こうじきん)―美味なる生命体―
という番組でした。

番組紹介の冒頭です。

麹菌はカビの一種である微生物。
これをコメやムギなどに蒔いて繁殖させた種麹から、日本酒や焼酎、発酵食品が作られます。麹菌による分解で生まれるうまみ成分などが食材をおいしくしてくれるのです。
現在、種麹を作る業者は全国にわずか10軒。生き物である麹菌を扱うのは手間がかかるため多くの業者が撤退しました。
そうした中、時間をかけて麹菌の改良に取り組む種麹メーカーが鹿児島県にあります。小さな麹菌は、突然変異をおこしても見た目にはよくわかりません。
長年の経験と技術を頼りに時間をかけて新しい麹菌をつくりだし、味の良い焼酎を生み出してきました。
人間が作りだせないものを作りだしてくれる麹菌。
その力に魅了された人々のドラマに迫ります。

麹菌に紫外線をあてたり 色々な試行錯誤を繰り返して
馥郁たる香りを出す麹菌を作るのだそうです。

番組では、名実伴に有名な芋焼酎の紹介をしていましたが、
所謂ブランド焼酎は高いのも、むべなるかなと思いました。